ユーノスロードスター「M2-1002」整備記録簿ver2.1

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NCロードスターの特徴|NAやNBと比べてどこが違う?

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2005年8月3日、NAからはじまったロードスターも3代目とな理、NCEC型(以下NC)ロードスターが誕生しました。

前モデルのNBから7年が経過していて待ちに待った登場でした。それと同時に、ロードスター史上初めてエンジン、伝達系、シャシーのいずれもが完全に一新されることともなったモデルです。

NCロードスターは、さらに厳しくなった衝突安全基準・環境対応要請、そして欧米市場からのサイズ拡大要望などの社会的要求を受け入れつつも、NCロードスター(RS)は1100kgの車重に抑えられています。NB(NB2のRS+ABS)は1090kgですので、すべてにおけるサイズアップを考えればこれは奇跡に近い軽さと言えるでしょう。

このページではそんなNCロードスターの特徴や歴代のモデルとの比較を解説しています。

ホワイトボディ重量はNBより軽い

ロードスターのどのモデルでもコンセプトは「人馬一体」であることに変わりありません。この「人馬一体」を達成するには絶対的な車重の軽さとマスの集中化が不可欠と言われています。

そこでNCロードスターでは、ボディモノコック自体からの軽量化に取り組むことになりました。各所に高張力鋼板(ハイテン鋼)を使用して重量を抑えつつも強度を上げているのですが、NCはその使用部材と量に妥協がありません。

あくまでも参考となりますが通常の乗用車でも高張力鋼板は使用されているのですが、たとえば2006年にデビューた実在の2ℓクラス車を例にとると、サイドシルやセンターピラーなどの強度が欲しい部分に使用されているもので500MPa(MPaとは応力の単務位。980MPaで断面積1mm2あたり100㎏の力に耐えることができる)前後のハイテン鋼が使用されています。

バンパー部でも780MPaクラスを使用していればニュースといえます。これに対してNCでは、バンパーに使う780MPaクラスハイテン鋼をサイドシル、アッパークロスメンバーなどに採用しています。これより強度が欲しいいAピラーとバンパー部には1500MPaクラスを投入しているのです。

するとどういうことが起きるでしょう。剛性を向上させながら、ホワイトボディ重量がNBより6kgも軽く仕上がったのです。

もちろん軽量化はこれだけで終わるわけではありません。伝統のパワープラントフレームやトランクリッドなどの素材を新たにアルミにしたり、NBで限界まで軽量化が施されたと思われていた幌は、格納時にもトップ部が上を向い場たままとなるZ型を実現するなど、美観を向上させつつ全体で150gの軽量化に成功しています。

新たに搭載された2ℓ4気筒DOHCエンジン(LF-VE型)もエンジンブロックがアルミであったり、インマニーやヘッドカバーがプラスチック素材であること、エアコンコンプレッサーをブラケットレスでブロックに直付けすることなどの軽量化策が施されました。その結果、補機類を含めたNB比で、19kgもの軽量化が達成されたのでした。

完全なフロントミッドシップへ

NCにおいて、軽量化を守りとするのであれば、マスの集中化に関しては攻めの技術が惜しみなく投入されています。新たに用意された2ℓ4気筒エンジンは、単体での全長が79mm短くなったことも効いて、NBに比べ135mmも後方に搭載されています(前輪中心からエンジン中心間の距離)。これによりエンジン本体は前輪のセンター以降に納まり、完全なフロントミッドシップとなりました。

また、ホイールベースは5mm伸びたのですが、ドライバーの座面中央位置からガソリンタンク中心位置の距離はNB比で110mmの短縮がなされています。この際同時に120mm下方にタンクの中心位置が低下していることも注目したいポイントです。

さらに、従来トランクルーム内にあったバッテリーは、ボンネット内前輪寄りにその搭載位置を変更。その重心位置からの距離は265mm短縮され、バッテリーが及ぼすヨー慣性の減少に貢献しつつトランクルーム容量の拡大にもつながっています。このほかラジエターはその搭載位置を低く前傾させるなどして、とにかく徹底的にマスを集中化させて操作に対する応答性と動きの収束性を高めたのです。

そしてこれらは冒頭にも述べたとおり、パッケージングから再考することのできる、今回のようなモデルチェンジ時にしかできないことなのです。

時代を越えてロードスターらしく

さて、ここまで各項目別に変更点を見てきましたがNCロードスターはいかにも最新モデルらしく、歴代のロードスターをあらゆる項目でしのいでいるように思えますね。

しかし実際に乗ってみるとやっぱりNAロードスターから変わらないのでです。(いい意味で)そしてNBロードスターそのものなのです。(いい意味で)

決してレーシーではないが俊敏なエンジン、短いストロークで小気味よく決まるシフト、ステアリングの動きに合わせて意のままに向きを変える車体。それらはすべて、NAとNBで受け継がれてきたロードスターそのものなのです。

時代が変わって社会的要件が変わってきたのなら、時代が変わって進化した技術でその都度対応させる。そうして数値ではない、ロードスターだけが持つ楽しさを継承していく。

ロードスターにとってのフルモデルチエンジというのはむしろ「ないほうがいいもの」なのかもしれません。それは大変な知恵と技術と労力を要し、それでいて最新テクノロジーの導入を声高に主張できる内容にはならないのがほとんどだからです。

代を追うごとに高性能·高出カ化していくクルマや「ニュー○○」といった、名前だけが継承されたまったくの新コンセプトモデルとは訳が違います。

ロードスターにおいては、モデルチェンジが行われることで、我々は常に初代のロードスターにいつでも新車で触れることができるのです。そんなクルマは古今東西見渡しても存在しないことでしょう。

ロードスターのモデルチェンジとはつまり、そういうことなのです。

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